2017年4月22日に世界一受けたい授業の保健体育の授業で放送された「うつ病の予防法と克服法」の御紹介です。
うつ病の基礎知識
10年間の自殺者数の統計を見ると、5月が一番多い月となっています。
その自殺者の6割の人が患っていたとされる病気が「うつ病」です。
うつ病の患者数は1999年と比較すると、約2.5倍になっており、2014年時点で111万6千人という過去最高の患者数となっています。
そんな「うつ病」に対して、発行部数20万部を突破した「うつヌケ」を参考に説明された、東洋英和女学院大学教授である、山田和夫先生です。
WHO(世界保健機構)が2014年に発表した「世界の重大な障害」は
2位:腸の感染症
3位:うつ病
でしたが、これが2030年には
2位:心臓の病気
3位:交通事故
のように、「うつ病」が1位になる深刻な病気だと考えられています。
40代の女性に「うつ病」が増えている理由
40台女性において、1999年までは4万人であった患者数が、2014年には13万8千人まで増えています。
その理由は、40台女性は「女性のホルモンの変化」や「子供の自立」など環境の変化が大きいため、「うつ病」になりやすいのです。
子供「うつ病」の症状
現在、小学生の8%、中学生の23%が「うつ病」の傾向があると言われています。
ですが、「うつ病」の症状は大人とは異なります。
子供の場合は、症状の訴えができないので、原因不明の腹痛やめまいといった症状が続く場合は、「仮面うつ」の症状の可能性があるため、「うつ病」を疑ってみるべきです。
経験者243人に聞いた「要注意!うつ10の兆候」
不眠
「朝が来るのが怖い。夜中や明け方に目が覚めた」のように、うつ病の9割の人が不眠に悩んでいるそうです。
午前3時~4時ぐらいに目が冷めてしまい、まだ眠りたいのに眠れないという不眠の症状、いわゆる早朝覚醒と呼ばれる症状が出る場合は、うつ病の疑いがあります。
ぐったり疲れる
うつ病は、体から力が抜けている状態です。
そのためちょっと動いただけでも体には大きな負荷となり、ぐったりと疲れてしまうのです。
気力がわかない
うつ病になると気力がわかないことがよくあります。
頭が痛い・重い
朝・昼・夜それぞれで発生する頭痛の中で、一番うつ病の可能性が高い頭痛はどれでしょうか?
実は朝の頭痛です。
ヨーロッパの国で2万人を対象にした調査によると、朝起きた時に頭痛がある4人に1人が「うつ病」だったそうです。
一日中悲しい気持ち
「景色が全部灰色であったり、大声で泣きたくなり、そのため派手な色の持つようになった」症状もうつ病の症状です。
本・新聞・テレビを見ない
山田先生が、「うつ病」の診断をする時に必ず聞く項目が、本・新聞・テレビを見ないかどうかなんだそうです。
話を理解したり、楽しんだりすることは「集中力」「判断力」「記憶力」と複数の能力が必要となります。
つまり、逆に話が理解できないということが、「うつ病」の典型的な症状です。
死にたいと思う
「駅で電車を待つ間に飛び込んだら楽に慣れるのかな?」のように死にたいと思うことも、「うつ病」の症状の1つです。
動作が鈍くなる
「2階に上がるのが登山しているくらいしんどい」のように動作が鈍くなる症状も「うつ病」の症状です。
家事・仕事ができない
「頭が回らなくなり、パソコンを目の前に1+1もできない」のように、家事や仕事ができない症状が出た場合は、うつ病を疑いましょう。
自分のダメなことばかりを考える
否定的な考え方から発想の転換で気分を切り替えることができないのは、うつ病の症状によるものの可能性があります。
このようにマイナス思考になると、悪循環に陥る可能性が高まります。
そのために気分が発散できることをするのが、うつ病の正しい対処法となります。
山田和夫先生がおすすめする「うつ病」の予防法と克服法
朝起きた時に自分をほめることで「うつ病」を予防できる
「うつ病」になっている時は、マイナス思考になっています。
そのため、例えば「自分が大好き」「自分は最高」のように、何でも良いので自分を肯定する言葉で自分をほめましょう。
このように自分をほめる内容を紙に書いたり、口にしたり、強く思ったりすると気分が上がってくるため、「うつ病」が予防になります。
「うつ病」の克服法
直木賞作家 熊谷達也さんの場合
教師として仕事熱心だった熊谷さんは、自分自身が知らない間に気力と体力の限界となっていました。
そんな時、ある日突然朝に起きられなくなったそうです。
そうです。「うつ病」が発症したのです。
そんな「うつ病」を発症した熊谷さんが「うつ病」を克服したきっかけが、妻がかけたある言葉だったそうです。
その言葉が「つらいなら、教師やめちゃえば?」という言葉だったそうです。
真面目一筋だった熊谷さんには青天の霹靂だったとのこと。
結果、仕事をやめて昔からの夢であった作家デビューし、その後2004年には直木賞を受賞するまでになり、「うつ病」も教師の仕事を辞めたことで克服できたそうです。
ミュージシャン 大槻ケンヂさんの場合
22歳でロックバンドである筋肉少女帯でメジャーデビューをし、バラエティにも出演し人気絶頂だった時、不安だったそうです。
結果、大槻さん自身が人気になっている理由が理解できず、また人気になっている状況がずっと続きわけないなどマイナス思考になり、「うつ病」を発症し、謎の孤独感を感じていたそうです。
そんな大槻さんが「うつ病」を克服したのは、森田療法とのこと。
森田療法とは、大正8年に精神科医 森田正馬さんが考案した対処法です。
具体的には、日記を書くなど、自分をありのままに認めようという考え方です。
「不安はあるがままにすておいて、今 自分がすべきことをすればよい」という考え方により、大槻さんは「うつ病」を克服しました。
NON STYLE 石田明さんの場合
NON STYLE 石田明さんは、ブレークし始めた2003年の時に「うつ病」を発症しました。
レギュラー番組もどんどん決まり、仕事も増えていく順風満帆かと思いきや、石田さん本人は毎日が苦痛で人前に立つのが怖かったそうです。
その理由は石田さん本人が、面白いことは言えないと思っているのに、仕事は増えていったためです。
うつ病の症状が出始め、不眠や過呼吸のような症状とともに、高いところに行くと吸い込まれそうになったそうです。
そのため、ベランダに行くと飛び込んでしまいそうになるため、飛び降り防止として鳩よけネットをベランダに付けていたそうです。
そんな石田さんが「うつ病」を克服したのは、尊敬していたブラックマヨネーズの吉田さんですら同じような症状が出ることがあると聞いてことがきっかけだったそうです。
それからは、周りに自分の症状を打ち明けるようになり、うつから抜け出す自身を取り戻したそうです。
山田和夫先生が注目している「うつ病」の症状とその対処法
「うつ病」を発症すると、ふくらはぎが冷えて固くなる
「うつ病」になると、自律神経のバランスが乱れるため、ふくらはぎが冷たくなり、固くなることが多いとのこと。
そのため、副交感神経を刺激することで、「うつ病」を改善することができるそうです。
「うつ病」を改善する「ふくらはぎマッサージ」
上の画像のように、ふくらはぎを反対のひざに乗せます。
上の画像のように、足を上にこすりながら上にあげます。
その後、上の画像のように、足をこすりながら下にさげます。
この上下動を1回とし、1日左右5回行います。
なおこのマッサージは、寝る前にやると効果的で、寝やすくなるそうです。
うつ病のまとめ
現在は効果的な治療がたくさんあり、「うつ病」は必ず克服することができます。
また、「うつ病」を治すメンタルクリニックがたくさんあるため、あまり自分だけや家族だけで悩まないで気軽に受診するようにしましょう。