毛細血管が減る原因とそれに伴う命に関わる病気と対処法│林修の今でしょ!講座

林修の今でしょ!講座

2017年5月2日に「林修の今でしょ!講座」で放送された「毛細血管検定2017」の御紹介です。

なお、毛細血管について御紹介されたのは、日本でも数少ない高血圧の専門医である東京女子医科大学内科学講座主任教授である市原淳弘先生です。

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毛細血管の基礎知識

毛細血管は体内に何本ある?

毛細血管は体内に約100億本あります。

それを全てつなぎ合わせると、長さ約10万kmとなり、地球二周半にもなります。

骨と筋肉を除く体の80%は血管と言われています。

その血管の99%が毛細血管です。

人体の中で最大の臓器とも言えます。

毛細血管の働き

毛細血管は生きる上で欠かせない血管です。

毛細血管は物々交換している最前線の現場なのです。

血管は大きく分けて3つに分かれます。

1つ目は心臓から血液を送り出す血管である動脈。

2つ目は血液を心臓に戻す血管である静脈

3つ目が細胞に必要な酸素や栄養を与え、また、細胞に不要な二酸化炭素や老廃物を回収する毛細血管です。

なお、毛細血管は体に必要な血管であるため、各細胞から0.03mm以内に存在しています。

毛細血管が減少する理由

何らかの原因で毛細血管が、だんだん消えていってしまう血管のゴースト化、それをゴースト血管と言います。

毛細血管を外側から補強して形を維持する壁細胞というものがあります。

いわば接着剤のような物です。

そもそも、毛細血管には小さな穴が空いています。

周りの細胞に酸素や栄養分を届けるために、その穴から適度に血液が漏れるようになっています。

しかし、加齢などが原因で周りを補強する壁細胞がはがれてしまうのです。

壁細胞がはがれてしまうと、漏れる量が多くなります。

つまり、血液を送る量が減ってしまうのです。

血液が行かなくなった血管は死んだも同然です。

このようなゴースト血管を皮に例えると、水が流れていない川と同じなのです。

このように血液が流れない状態、つまりゴースト血管がが続くと毛細血管自体も消えてしまいます。

なお、このゴースト化はいくつかの原因があります。

加齢による毛細血管の減少

毛細血管は40代から減りやすくなります。

毛細血管の量を比較した研究によると、20代の毛細血管の量が、60代になると約4割も減ってしまうそうです。

また最近若い人でも毛細血管がゴースト化している人が増えています。

ただ、日常で簡単にできる毛細血管を増やす方法がありますが、それは後述します。

靴の選び方を間違えると毛細血管が減る

サイズの合わない靴を履いた場合、毛細血管を圧迫して血流が悪くなります。

このように、ゴースト血管の原因になるので、自分のサイズに合った靴が良いとのこと。

なお、サイズが合っていてもスニーカーで運動し続けると、老廃物が溜まり、むくんできつくなるので、その圧迫から解放することが大切です。

また、ハイヒールはつま先に重心がかかるため、つま先の毛細血管を圧迫してゴースト血管の原因となります。

それでもどうしてもハイヒールを履かないと行けない場合は、2時間に1回脱いで足を揉むと良いとのこと。

毛細血管が減りやすい服装とは?

スキニーパンツのような締め付ける服も毛細血管を圧迫するため、毛細血管をゴースト化する原因になります。

そのため、体を締め付ける服は毎日着るのではなく、週に数回くらいにした方が毛細血管に良いのです。

毛細血管が減る座り方

日々の座り方1つでも毛細血管の数は変わってきます。

例えば猫背です。

基本的には血流の低下が毛細血管を減らすことに繋がります。

猫背になると血管のカーブがきつくなるため血流が悪くなります。

それが一過性であれば良いのですが、ずっと猫背の姿勢であると全身の血液のめぐりが悪くなります。

つまり毛細血管がゴースト化してしまいます。

猫背以外に毛細血管に悪い座り方

足を組んだ座り方も毛細血管に悪い座り方です。

それは膝の裏には脚先まで血液を送る動脈があるためです。

例えば、正座をした後に足がしびれます。

それは脚の裏に動脈があり、正座によって一回止めた血液が一気に流れ毛細血管の壁を刺激するためです。

毛細血管を減らさない座り方

毛細血管を減らさない座り方は、当たり前ではありますが、胸を張って背筋を伸ばして座ることです。

具体的には、血管のカーブをなくして毛細血管まで血液を行き渡らすように座ることです。

なお、お年寄りでも姿勢の良い人は若く見えますが、このような人は全身の血行が良いため、見た目や肌のツヤにも半値位されてくるためです。

毛細血管が減りやすいマッサージ

顔は脂肪や筋肉が少ないため毛細血管が減りやすいのです。

そのため、顔をマッサージする時は優しくするようにしましょう。

食べ物の焦げには注意

焼肉の焦げに含まれているAGEが毛細血管を傷つけます。

このように焼肉の焦げ目や焼き目には血管の大敵であるAGEが多く含まれています。

なお、焦げや焼き目を作るメイラード反応がAGEを増加させます。

そのため、全ての食品に関して焦げ目や焼き目を避けるようにしましょう。

毛細血管の減少が原因で発症する病気や症状

薬の効果が減少する

毛細血管の減少すると漏れた血液の量が多くなるため、がん細胞などの細菌に対して薬が届きにくくなるのです。

そのため、今後どれだけ優れた薬が出たとしても毛細血管が衰えていたら効果が激減してしまうのです。

かぜを引きやすくなる

毛細血管が減るとウイルスがあるところまで体の免疫である白血球が届きにくくなります。

つまり、免疫力が低下してしまい、かぜを引きやすくなります。

冷え性になりやすい

毛細血管は、酸素と栄養、免疫物質以外にも「温度」を運んでいます。

そのため毛細血管が減ると冷え性になる可能性があります。

肌の老化に繋がる

健康な肌は毛細血管が運ぶ酸素や栄養を使い肌の生まれ変わりを行っています。

つまり、肌の新陳代謝です。

なお、毛細血管の太さは5~10ミクロンしかありません。

髪の毛の10分の1程度です。

では、なぜこれほどまでに細いのでしょうか?

全身の細胞は60兆個あります。

その60兆個の細胞に酸素や栄養をくまなく運ばなければならないため、細い血管が必要になるためです。

心筋梗塞と脳卒中の可能性が高まる

毛細血管が減ると高血圧になりやすくなります。

その要因は2つあります。

血流が悪い毛細血管があると、もっと血液を送ろうと心臓が高い圧力で血液を送ろうとします。

また、この強い圧に耐えようと血管が柔軟性がなくなり、固くなっていきます。

そのため余計に血圧が必要となり、より高血圧になっていくのです。

このように高血圧になると、血管が破裂するリスクが上がります。

この血管が破裂するのが脳の近くで起こると脳出血、心臓の近くで破裂すると心筋梗塞となるのです。

アルツハイマー型認知症になりやすい

脳は全身の血液の15%を必要とします。

しかし、毛細血管が減ると血液の流れが悪くなり酸素や栄養が届かなくなります。

そのため脳の機能が低下し認知症に繋がるのです。

骨粗しょう症になりやすい

骨も毛細血管が多く含まれている臓器です。

そのため毛細血管が減ると骨がもろくなりやすくなります。

つまり、骨粗しょう症になりやすいということです。

糖尿病になりやすい

毛細血管が減ると、酸素や栄養素が全身の細胞に届かなくなります。

そのため食事でとったエネルギーが体内に余分に残るようになります。

つまり、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病になるのです。

日常で簡単にできる1週間で毛細血管を増やす方法

今まで、毛細血管が減少する様々な気をつけなければならないことをお伝えしてきました。

しかし、加齢などで減少してしまう毛細血管の数を簡単に増やす方法があります。

そんな毛細血管のスペシャリストである、金沢医科大学准教授の赤澤純代先生による、おすすめの日常で簡単にできる1週間で毛細血管を増やす方法の御紹介です。

耳を揉むだけで毛細血管が増える?

耳などの末端のマッサージをすることで血液がUPします。

そのためゴースト血管に血液を送り、健康な毛細血管となるのです。

そもそも、毛細血管は末端になると心臓から遠いため血流が悪くなりがちです。

どのように耳を揉めばよい?

耳マッサージのポイントは、耳全体をちょっと強めに少し引っ張りながら、ねじるように揉むのがポイントです。

耳を揉んでいて、顔が赤くなって暖かさを感じるぐらいが良いとのこと。

片方ずつ1分ぐらいが揉む時間の目安です。

なお、耳以外で揉むと良いところは、指の末端を揉むというのが簡単です。

この指マッサージのポイントは、爪をつまむように縦横から1本40秒くらい押すと良いそうです。

この指マッサージも、指先を揉むことで手全体の血流アップに繋がります。

また、心臓に向かって皮膚をさするだけでも血流はアップします。

この耳マッサージと、指先マッサージを1日2セット程度するだけで、毛細血管の増加に繋がります。

毛細血管が多く集中している「ふくらはぎ」に刺激を与えると良い

ふくらはぎには毛細血管が多く集中しています。

そのため、ふくらはぎに刺激を与えることで、下半身の血流がアップします。

ふくらはぎに刺激を与える良い方法は?

ふくらはぎに刺激を与える良い方法は、足首の曲げ伸ばし運動を行うことです。

このふくらはぎ運動を1日20回、朝晩2セットが目安なんだそうです。

毛細血管の減少を食い止める食材

抹消の循環を改善したり、冷え性の改善に効果的な食材があります。

それは「シナモン」です。

シナモンには、毛細血管のゴースト化を防ぐTie2(タイツ-)を活性化させる効果があります。

このシナモンを摂ることで、血液の漏れを防ぐことができます。

しかも9割も防ぐことができるのです。

そもそも毛細血管のゴースト化の原因は壁細胞が剥がれ落ちることです。

それをTie2は壁細胞をつなぎとめ毛細血管を丈夫に保つのです。

シナモンの摂取量は?

1日0.6g(小さじ1/2)が目安です。

しかし、取り過ぎは臓器障害の可能性があるので控えましょう。

シナモン以外にTie2を活性化するものは?

ルイボスティー、ヒハツ(別名:ピパーツ、沖縄でよく使われるハーブの一種)、カリン(アメなどでも摂取可能)でも、Tie2を活性化することができます。

毛細血管を増やせるお風呂の入り方

毛細血管の増加が期待できるお風呂の入り方は、40度のお湯に10分入るです。

40度のお湯は、リラックス効果をもたらす副交感神経が働きます。

すると血管が拡張して血流がUPし毛細血管の増加に繋がります。

なお、胸まで浸かった場合は10分が目安ですが、半身浴の場合は20分~30分が目安とのこと。

毛細血管増加が期待できる入浴剤

毛細血管増加が期待できる入浴剤が炭酸入り入浴剤です。

ポイントは「泡」です。

炭酸の泡が皮膚に近い毛細血管を刺激して血流がUPします。

そのため炭酸の泡でなくても、銭湯などでのジェットバスに入るのも効果的です。

なお、毛細血管に良い入浴剤の選び方は、高濃度の炭酸の表記があるものの方が更に良いとのこと。

毛細血管についてのまとめ

いかがでしたでしょうか?

たかが毛細血管と思っていた方も多いのではないでしょうか?

毛細血管の減少が命に関わる病気を発症したり我々の日常に非常に大切なことです。

そのため、簡単にできる毛細血管を増やす方法を実践して頂き、健康的な生活が送れるようにして頂ければと思います。

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