日常的にやってしまいがちな食中毒に対する行動・原因・予防・対策│林先生が驚く初耳学

林先生が驚く初耳学

カレーの作り置き、洗い物のつけ置き、飲みかけのペットボトルは食中毒の原因となります。

このように日常的にやってしまいがちな行動と食中毒となる原因とその対策を御紹介します。

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食中毒に関する基礎知識

食中毒は気温30度を超えると一気に増殖します。

そのため、食中毒は5月から起こりやすくなり9月頃にかけてピークをむかえます。

では、どんな食べ物を食べたら食中毒になるのでしょうか?

すっぱいものでしょうか?腐っているものでしょうか?

実はすっぱいものでなくても、また腐っていなくても食中毒になる可能性は十分あるのです。

正確に言うと、わずかな食中毒菌がいるだけで食中毒にかかる可能性があるのです。

このように食中毒について間違った知識を持っていると、命の危険性もあります。

そのため、食中毒がどのように発生し、どのようにすれば予防できるのかしっかり学びましょう。

食中毒とは?

食中毒とは、悪い菌が増殖し毒素を作って体に害を与えることを言います。

では、食中毒の菌はどのように増えるのでしょうか?

食中毒は温度によって、その菌の数を増殖させます。

0度以下:活動がゆっくり
10度以下:増殖が抑えられる
30度~40度:最も活発に活動(増殖する)
60度:熱に弱い菌は死滅
75度:1分以上でほとんど死滅

このように30度~40度の時に食中毒菌は爆発的に増えます。

しかし、75度を1分続けるだけで大抵の食中毒菌は死滅します。

ただ、口述しますが熱に強い菌もいるため、その対処法も必要です。

食中毒になる人とならない人の違い

食中毒になる人とならない人がいます。

本来、人は胃酸によって食中毒菌の大半を死滅することができます。

しかし体調不良であったり、胃酸の分泌が悪い人、子供や高齢者などの体力や免疫力が低い人は菌を退治できず食中毒にかかりやすいのです。

カレーの作り置きは危険

カレーは煮込めば煮込むほど具材の旨味が溶け出すからおいしいからと、大量に作って、コンロでそのまま作り置きをしていないでしょうか?

実は作り置きは1日であれば問題ないのですが、作り置きして美味しいと言われている2日目から実は危険なのです。

カレーの中にいるウェルシュ菌が食中毒の原因となる

ただ、2日目でも温めてから食べているから大丈夫と思いますよね?

実はカレーに潜んでいる菌はウェルシュ菌という菌でグツグツ煮込んでも死なない菌なのです。

本来、ウェルシュ菌は土の中でジャガイモなどに付着している菌です。

そのため調理の時にカレーに侵入することがあるのです。

なお、ウェルシュ菌は少量であれば問題はありません。

ただ、鍋のままコンロの上で保存すると危険なのです。

ウェルシュ菌が増える仕組み

ウェルシュ菌は熱に強い芽胞というからを作って、その中に閉じこもってじっとしています。

そのため、グツグツ煮ても芽胞のおかげで菌は死なずに残っています。

その後作り置きして放置しておくと、だんだん鍋の温度が下がってきます。

50度ぐらいまで下がってくると、ウェルシュ菌が芽胞から出てきて活動を始めます。

45度ぐらいになると一番活発に稼働をし始め、10分に1回の割合で分裂を繰り返します。

2日目までそのまま放置すると、ウェルシュ菌は約200兆個にまで増えます。

そのため、そこから温めなおしても手遅れなのです。

では、温かいまま冷蔵庫に入れればよいかというと、それは逆に良くありません。

温かいまま冷蔵に入れると冷蔵庫の温度が上がってしまい、他の食材に悪い影響を与えてしまうからです。

ウェルシュ菌に対する食中毒予防法

菌が増殖しやすい45度の時間を短くする

細菌は10度以下になるとほとんど活動をしないという特徴があります。

それを利用して、すぐに10度以下に冷やして細菌の増殖を抑えるのです。

強制的に冷やすのも効果的ですし、タッパーに小分けにすれば温度が冷めるのが早くなるため効果的です。

つまり、温度が下がりにくい鍋のように菌が増殖しやすい45度となる時間を短くすることがポイントです。

酸素に触れる時間を多くする

ウェルシュ菌は酸素が苦手という特徴があります。

そのため、温める時にカレーを良く混ぜて酸素に触れさせるようにすると菌が死滅します。

おにぎりで食中毒になる?

おにぎりが原因で食中毒になる可能性があります。

その原因となる菌が、黄色ブドウ球菌です。

黄色ブドウ球菌とは?

黄色ブドウ球菌とは、誰の手にもついている食中毒菌で、その数が少なければ全く影響はない菌です。

しかし、暑い時期に海苔を巻いたおにぎりを放置すると、温度・水分・栄養の菌が増殖する3つの要素をもつおにぎりは食中毒になりやすいのです。

このように、おにぎりを手で作り、海苔をまいたまま放置することで菌が増殖し食中毒が発生するのです。

黄色ブドウ球菌による食中毒を防ぐ方法

そもそも手についている黄色ブドウ球菌を、おにぎりに付けないようにラップに包んで握ることが大切です。

また、黄色ブドウ球菌の栄養素となる海苔は食べる直前に巻くようにしましょう。

飲みかけのペットボトルを飲むことで食中毒になる?

ペットボトルで飲みかけになっているジュースやコーヒーなどを、翌日になって残っているからと飲んでいませんか?

実はその飲みかけのペットボトルを飲むと非常に危険です。

ペットボトルを飲んだ直後と放置した後の菌の数の調査

水、お茶、砂糖入りコーヒー飲料の3つのペットボトルに入った飲み物を、少し飲んだあと25度の室内で12時間後に黄色ブドウ球菌などを含む菌の数を調査しました。

すると、以下のような調査結果となりました。

【黄色ブドウ球菌などを含む菌の数】
水:飲んだ直後:118個 12時間後:120個
お茶:飲んだ直後:130個 12時間後:120個
砂糖入りコーヒー飲料:125個 12時間後:820万個

水やお茶は飲んだ直後と、12時間後とでは、ほとんど菌の数は変わりませんでした。

しかし、砂糖入りコーヒー飲料は、12時間後:820万個という莫大な菌の数となっていました。

これは人が飲んでしまうと食中毒になるレベルです。

飲みかけのペットボトルを飲むことで菌が増えた理由

ペットボトルに直接口をつけて飲むことで、人の口からペットボトルの中に菌が入ってしまいます。

その菌の中に黄色ブドウ球菌がいると、数時間後には爆発的に増えてしまいます。

しかし、水とお茶は放置をしても菌が増えませんでした。

その理由は、水は菌が増えるための栄養素が含まれていないため、お茶は菌を抑えるカテキンが含まれているため、むしろ菌の数は減ることもあるそうです。

しかし、砂糖入りコーヒー飲料のように糖分が多い飲み物は、糖分を栄養に黄色ブドウ球菌などの菌が増えやすくなる環境となるため、当分が多い飲み物を飲みかけで放置しないように気をつけましょう。

ペットボトル飲料で食中毒にならない対処法

ペットボトルに直接口を付けなければペットボトルの中に黄色ブドウ球菌などの菌が入る可能性はないため、ペットボトルで飲む際にはコップに入れて飲むようにしましょう。

被害が多いカンピロバクターによる食中毒

カンピロバクターという菌は、鶏肉に付着している可能性があり、この菌に冒されると、食後2日~7日後に嘔吐や腹痛・発熱などの症状が出ます。

なお、この菌は生の鶏肉や生焼けの鶏レバーによくいます。

カンピロバクターによる食中毒を防ぐ方法

火を通して食べる

温かい季節になるとバーベキューをすることが多くなると思います。

その際に鶏肉を食べる機会も多くなるかと思うのですが、その鶏肉にカンピロバクターが付着している可能性があります。

そのため、バーベキューをする際には、よく火を通して食べることが大切です。

包丁を使い分ける

鶏肉を切った包丁を他の食材を切る際に使っていませんか?

これは大変危険です。

例えば、鶏肉を切った包丁で生野菜を切ったとすると、鶏肉にカンピロバクターが付着していると、菌が口の中に入る可能性が高まるためです。

なお、カンピロバクターは熱に弱い菌のため、鶏肉を切ったら熱湯で消毒するか、別の包丁を使うようにしましょう。

お弁当で食中毒になる?

温かい季節になると、家でお弁当を作って外で食べたりしますよね?

そのお弁当も作り方によっては食中毒になる可能性があります。

ポイントはお弁当の盛り付けです。

食中毒のリスクを高めてしまうお弁当の盛り付け方とは?

ポイントは生野菜と塩分を含んだ料理の組み合わせをしていないかどうかです。

その理由は、生野菜に菌が付着している可能性があり、その生野菜から出た水分と、それに塩分が加わることで、菌が増えやすい環境が出来てしまうためです。

例えば、(塩分を含んだ食材として)ハンバーグや肉巻き等と、レタスの組み合わせなどです。

食中毒のリスクを避けるためのお弁当の食材と対処法

先ほど御紹介した通り、生物は食中毒の可能性が高まるため避けたほうが良いですが、どうしても生野菜が食べたいという人は他のおかずと分けた方が良いでしょう。

また、カップなどで、おかずを仕切ってしまうことで菌がうつることを避けることができます。

他にも抗菌作用のある大葉や梅干しを入れておくと、菌の繁殖を防ぐ効果があります。

なお、お弁当を御飯とおかずのように2つに分けておくと、もし食中毒菌がまぎれていても増えるのを防ぐ効果があります。

食中毒を防ぐお弁当の盛り付け方

1つ目は、上述の通りおかずが当たらないようにカップなどで仕切って入れるようにしましょう。

2つ目は、食中毒が起きにくい揚げ物を多くするようにしましょう。

もともと揚げ物は160度以上で加熱しているため菌が死滅しているためです。

3つ目は、上述の梅干しです。

梅干しの抗菌作用を最大限に活かすためにも、御飯の上に全体的に梅干しを細かく切って散りばめると良いでしょう。

キャラ弁は食中毒になりやすい?

キャラ弁はこった形を作ろうとするため、素手で食材を触る可能性が高いため食中毒が発生しやすいのです。

そのため、素手で触る事をさけるために、手袋をするなどして対処するようにしましょう。

食器のつけ置きは食中毒になりやすい

食器のつけ置きは菌を育てているのと同じ状態です。

よって、食器のつけ置きは頑固な汚れが取りやすくなるとはいえ、菌を爆発的に増やしてしまうため避けるようにしましょう。

食器のつけ置きで菌がどのくらい増えるのかの実験

つけ置き直後の水と、10時間後の水に対して、食中毒菌を含む菌の数の調査をしました。

すると、食器のつけ置き直後は60個~80個だった菌の数が、10時間後には2900万個にもなっていました。

食器のつけ置きで菌が増える理由

食器のつけ置きは、水分・温度・栄養と菌が好む3つが揃う状態となるためです。

そのため時間が経てば立つほど菌が爆発的に増えてしまうのです。

つまり、食中毒になる可能性を高めてしまうということです。

なお、1時間程度であれば菌の増殖は問題ないレベルとのことなので、できるだけ早く洗うようにしましょう。

また、つけ置きの水に洗剤を入れておいたら?という考えもありますが、増えにくくはなるものの、菌がゼロになるわけではないので、やはりつけ置きで放置せず、できるだけ早く洗うのがベストとのことでした。

食中毒についてのまとめ

いかがでしたでしょうか?

カレーの作り置き、おにぎりの作り方、飲みかけのペットボトルなど日常的にやってしまいがちな行動ではなかったでしょうか?

今回御紹介した食中毒となる原因と対処法で正しい知識を身につけるようにしましょう。

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