冬、春~初夏にかけて流行りやすい「溶連菌」情報(大人はうつる?/症状(発疹/熱/喉/咳/苺舌)/潜伏期間/感染経路(原因)/薬/検査方法/学校(幼稚園/保育園)の出席停止期間)を情報の信頼性の高い「国立感染症研究所」情報を元にまとめました。
- 溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)の基本情報
- 溶連菌の最新情報
- 【感染症ニュース】溶連菌感染症 患者数が増加 12月に向け注意が必要
- 大人にもうつる溶連菌! 我が家をおそった脅威の感染症事件【4人の子ども育ててます 第20話】
- 【感染症予報】11月に注意してほしい感染症、No1・ノロウイルス感染症、No2・インフルエンザ、要注意・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)、要注意・伝染性紅斑(りんご病)
- 「溶連菌感染症」と風邪を見分けるポイントと家族への感染対策とは
- 死亡率は30%…大人でも感染する「溶連菌感染症」の恐怖
- 【10月に注意してほしい感染症】No1・RSウイルス感染症/No2・溶連菌感染症/要注意・風しん、先天性風しん症候群/要注意・梅毒
- 溶連菌の軽視は禁物!もう一つの顔に“人食いバクテリア”も 薬は必ず飲み切ること
- 【体験レポート】風邪かと思ったら「溶連菌感染症」!感染したら気をつけるべきポイントは?
- 大人も注意!溶連菌感染症の不気味な流行
- 息子からの溶連菌感染症による合併症で手足を切断した父(米)
- 様々な症状がある子どもの溶連菌感染症
- 【医師取材】溶連菌感染の主な2つの原因は? 感染経路とリスク
溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)の基本情報
溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)の情報をA群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは│国立感染症研究所の情報を元に以下に御紹介します。
潜伏期間
潜伏期は2〜5日。
発症しやすい年齢(大人はうつる?)
誰でも起こり得るが、学童期の小児に最も多い。
3歳以下や成人では症例は少ない。
症状
突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症し、嘔吐もしばしばあり。
咽頭壁は浮腫状で扁桃は浸出を伴い、軟口蓋の小点状出血あるいは苺舌がみられることがある。
猩紅熱の場合、発熱開始後12~24時間すると点状紅斑様、日焼け様の皮疹が出現する。
針頭大の皮疹により、 皮膚に紙ヤスリ様の手触りを与えることがある。
特に腋窩、ソケイ部など皮膚のしわの部分に多く、これに沿って線が入っているようにみえることもある。
顔面では通常このような皮疹は見られず、額と頬が紅潮し、口の周りのみ蒼白にみえることが特徴的である。
また、舌の変化として、発症早期には白苔に覆われた舌がみられ、その後白苔が剥離して苺舌となる。
1週目の終わり頃から顔面より皮膚の膜様落屑が始まり、3週目までに全身に広がる。
これら以外にも中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こす場合がある。
また、菌の直接原因ではないが、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことがある。
合併症
肺炎、髄膜炎、敗血症等の化膿性疾患、リウマチ熱、急性糸球体腎炎等の非化膿性疾患を生ずることもある。
感染経路
本疾患は患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭・学校等の集団での感染も多い。
感染性
感染性は急性期にもっとも強く、その後徐々に弱まる。
急性期の感染率については兄弟間が最も高率で、25%と報告されている。
学校での咽頭培養を用いた研究によると、健康保菌者が15 〜30%と報告されているが、健康保菌者からの感染はまれと考えられている。
検査方法
咽頭培養により菌を分離することが基本で、A群多糖体抗原を検出する迅速診断キットもある。
迅速診断キットの特異度は一般的に高く、感度は80%以上であるが菌量に依存するため咽頭擦過物の採取方法が重要。
治療法(薬)
治療にはペニシリン系薬剤が第1選択薬であるが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応となり、また第1世代のセフェムも使用可能である。
いずれの薬剤も少なくとも10日間は確実に投与することが必要である。
除菌が思わしくない場合は、クリンダマイシン、アモキシシリン/クラブラン酸、第2世代以降のセフェム剤も使用される。
予防方法
予防方法は、患者との濃厚接触を避けることが最も重要であり、うがい、手洗い等の一般的な予防法も有効である。
接触者への対応としては、集団発生等の特殊な状況では接触者の咽頭培養を行い、陽性であれば治療を行う。
流行時期
参照元:A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 過去10年間との比較グラフ(週報)│国立感染症研究所
感染症発生動向調査のデータによると、冬季および春から初夏にかけての2つの報告数のピークが認められている。
近年、全体の報告数が増加する傾向にあるが、迅速診断キットの普及などで診断技術が向上したことによる可能性もある。
学校(幼稚園/保育園)の出席停止期間
適切な抗菌薬療法の開始24時間以降が推奨されている。
参考にしたサイト
・学校において予防すべき感染症の解説│文部科学省
・感染症・予防接種ナビ
原因菌
レンサ球菌はグラム陽性球菌で、細胞壁の多糖体の抗原性によりLancefield A〜V 群(I, J は除く)分類されている。
本疾患の原因菌はこのうちのA群に属し、ヒツジ赤血球加血液寒天培地上でβ溶血(完全溶血)をおこすので、A群β溶血性レンサ球菌(溶連菌)と呼ばれる(α溶血は不完全溶血、γ溶血は非溶血を指す)。
溶連菌の最新情報
【感染症ニュース】溶連菌感染症 患者数が増加 12月に向け注意が必要
2018/10/22~10/28(第43週)の溶連菌感染症の患者報告数は6,045人で、2週連続で増加しています。
12月のピークに向かって患者報告数がさらに増加していくことが予想されます。
特に、幼稚園、保育園、小学校などでの集団発生にご注意ください。
溶連菌感染症は、主にA群溶血性レンサ球菌によって引き起こされる感染症で、重症化すると発しんも現れることがあります。
予防のためのワクチンは、まだ実用化されていません。
予防には、手洗い、咳エチケットなどが有効です。
大人にもうつる溶連菌! 我が家をおそった脅威の感染症事件【4人の子ども育ててます 第20話】
【感染症予報】11月に注意してほしい感染症、No1・ノロウイルス感染症、No2・インフルエンザ、要注意・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)、要注意・伝染性紅斑(りんご病)
【要注意】A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)…12月のピークに向かって患者報告数が増加していくことが予想されます。
特に、幼稚園、保育園、小学校などでの集団発生にご注意ください。
「溶連菌感染症」と風邪を見分けるポイントと家族への感染対策とは
「さっきまで元気だったのに、いきなり熱!?」。
子どもが急な熱を出すことは、それほど珍しいことではありません。
しかし気をつけなければいけないのが、単なる風邪ではなく感染症の1つである「溶連菌感染症」の可能性もあります。
溶連菌感染症の初期症状や、兄弟に移らないようにするための対処法、合併症についてなど、成田先生に詳しく聞きました。
死亡率は30%…大人でも感染する「溶連菌感染症」の恐怖
梅雨を迎え、いよいよ本格的に夏に突入していこうとする6月。
気温と湿度が高まるこの時期は、細菌やウイルスの増殖、あるいは精神の変調によって、多くの“ヤバイ病気”がはびこるタイミングでもあったのだ。
命をおびやかす病の正体を追った!
【10月に注意してほしい感染症】No1・RSウイルス感染症/No2・溶連菌感染症/要注意・風しん、先天性風しん症候群/要注意・梅毒
溶連菌の軽視は禁物!もう一つの顔に“人食いバクテリア”も 薬は必ず飲み切ること
溶連菌、正式名称はA群β溶血性連鎖球菌といいます。診断は、簡単できます。
迅速診断キットを用いて、咽頭部のぬぐい液を採取すれば、10分以内に診断がつきます。
インフルエンザの検査のように、鼻から管を挿入される苦しい検査ではありませんので、ご安心ください。
診断がつけば、10日間の抗生剤を飲み切ることが肝要です。
【体験レポート】風邪かと思ったら「溶連菌感染症」!感染したら気をつけるべきポイントは?
自宅にいながら小児専門医に相談できる「小児科オンライン」。
第6回目は、たんなる風邪かと思いきや実は感染症の一種である溶連菌だったというお話。放っておくとまれに急性腎炎 を起こすことも。
子どもが溶連菌にかかった場合、自宅での対処法や、気をつけることについて小児専門医の橋本直也先生にお話をお伺いしました。
対象者:3歳の女の子
症状:発熱、鼻水。3日前に病院で溶連菌と診断され登園停止に。
大人も注意!溶連菌感染症の不気味な流行
のどの痛み、発熱などの症状がでる「溶連菌感染症」の患者数が過去最高で、大流行の兆し。
大人にもうつるこの感染症の予防法とは。
息子からの溶連菌感染症による合併症で手足を切断した父(米)
子供の病気の原因の一つでよく耳にする「溶連菌(溶血性レンサ球菌感染症)」は、時に生を脅かす感染症を引き起こすようだ。
咽頭炎などの原因となる溶連菌が咽頭から入り込み、腹腔へ移動し合併症を起こしたために手足の切断を強いられてしまったアメリカに住む男性のニュースが『CNN』や『New York Daily News』など複数メディアで伝えられた。
様々な症状がある子どもの溶連菌感染症
「溶連菌」と一言にいっても、現在特定されているものだけでA~W群の21種類あり、種類によって中耳炎や上気道炎など発症部位や症状は様々です。ここでは、溶連菌感染による手の症状について詳しく解説します。
皮膚変化を起こす溶連菌感染症とは?
ヒトの場合、A群溶連菌が溶連菌感染の約9割を占めています。
この菌が起こす症状には、手に症状が現れることが多いです。
溶連菌感染症の皮膚変化である皮膚落屑(ひふらくせつ)に加え「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん:通称とびひ)」「猩紅熱(しょうこうねつ)」「丹毒」「ひょう疽」などの病気が挙げられます。一つひとつの症状について、ご説明します。
【医師取材】溶連菌感染の主な2つの原因は? 感染経路とリスク
子供への感染が多いイメージの溶連菌は、大人にも感染します。
慢性化の危険が高かったり、あるいは子供をうつしてしまう心配もあるため、注意が必要です。